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霧島工房 アイマス同人界の隅っこで蠢くピコ手改めフェム手サークル
次のイベントは コミックマーケット88 日曜日 東 メ-21a です!

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律子オンリー、3年ぶりの単独開催!

コンプレックス

「美希ちゃん、かわいいよねー」
「うんうん、スタイルもいいし、服のセンスもいいし。私、ちょっとあこがれちゃうなー」
「でも、どうしてあんな地味な子とコンビ組んでるのかしら?」
「全っ然、釣り合ってないわよねー」
「ほんとほんと。美希ちゃんなら一人でも十分、売れると思うんだけどな」
 ……そんなこと、あんたたちに言われなくてもわかってるわよ……

「どうした? 律子。浮かない顔をして」
「え? あ、いえ……」
 いけない。ミーティングに集中しないと……。でも、自分が思っていた以上に、私の表情は曇っていたらしい。プロデューサーだけじゃなく、美希までなんだか心配そうな顔をしてこっちを見ている。
「なんか、心ここにあらず、って感じだよ? 律子さんらしくないと思うの」
「うん、いや、大丈夫、なんでもないわ……」
「そんな顔をして『なんでもない』なんて言われても『はいそうですか』と言うわけにもいかんさ。何か言いたいことがあるんならはっきり言ってくれよ?」
 プロデューサーも不安げにそう言って、私の顔を覗き込んでくる。うーん……ここまでくると、ごまかすのも却って不自然、か……。
「いえ。私、本当にこうやって美希とコンビを組んでいていいのかな、って」
「え?」
「それって、やっぱり律子さん的には美希がいらないってこと?」
 驚愕で固まってしまった二人に、慌てて首を横に振る。
「あ、そうじゃなくって逆。私がむしろ、いらないんじゃないかな、って……」
「どうしてまたそんなことを……それはデビューする時に解決した話じゃなかったのか?」
 確かに、デビュー前にも同じような不安はあった。いかにも「いまどきのアイドル」っぽい美希の隣で私みたいな地味な子がいても足を引っ張るだけじゃないか、そもそも自分はアイドル自体、向いていないんじゃないか……そう考えて、二の足を踏んでいたのは事実。
「うんうん。美希のルックスと律子さんの頭脳、それでやっていこうって、話をしたよね」
「それは、そうだけど……美希はそれでいいの?」
「え?」
 元々、美希は私のことを少し怖がっているような節がある。多分、私が色々と口うるさくいったりするからだろうけど、そういう意味でも美希としては私がいない方がいいと思っているんじゃないだろうか。そういう風にも思う。
 でも、美希の口からは意外な答えが返ってきた。
「んー。美希的には、律子さんとアイドルやってるの、結構楽しいんだけどな。律子さんはそうじゃないの?」
「え?」
 今度は私が驚く番。思わぬ回答に軽く固まってしまった。そんな私を気にする様子もなく、美希がにこにこしながら言葉を続ける。
「最初の頃は沢山怒られて嫌だなーって思っていたこともあったけど、でもね、私、律子さんと一緒じゃなかったらこんなに頑張れなかったと思うな」
「それでもまだ、レッスンをサボったりすることも多いような気がするが……」
「もう! プロデューサーさん、混ぜっ返さないでほしいの! あ、えっと、もし美希一人だったら、なんとなくだらだらと活動して、結局大したところまでいけなかったと思うの。でもね、律子さんと一緒に活動してきて、ああ、私も頑張らないとって思って、今まで頑張ってきたんだよ?」
 そう語る美希の表情は、どこまでも邪気がなくて嘘をついているようには見えない。そもそも、この子はこんな嘘をつく子じゃない。でも、そんなことを思っていたなんて……。
「律子さんって、確かに地味でアイドル向きじゃないと思うけど、でもそんな律子さんがこうやってアイドルをやってるのって、すごいことだと思うの。レッスンだってすごく真面目にやってるし、それに、美希よりずっと色んなことを考えているし。そんな律子さんに美希、今まで随分と助けられてきたと思ってるの」
 そんな美希の言葉を、プロデューサーもうなずいて聞いている。
「美希……」
「律子さんが隣で美希のことを叱ってくれたりしたから、きっと美希はここまで来れたんだと思うな。だから、美希はこれからも律子さんと一緒に、アイドルをやっていきたいと思っているんだけど……律子さんは嫌?」
「それにな、美希じゃなくって、律子のことを応援してくれているファンがいることだって、律子も知ってるだろ? 数として美希のファンが多いことは事実にしても、な。そのファンの声を律子、無視できるのか?」
 私を応援してくれるファン、必要としてくれる人……それがある限り、私はここにいてもいいし、ここにいるべき……そういうこと、なのだろうか……。
「そう……ね。ごめんなさい。私、どうかしてたかも」
「じゃあ、今日からまた二人でやっていけるな?」
「ええ、あ、いや、三人で、でしょ?」
「そうなの! 律子さんとプロデューサーさんと美希で、もっともっと、高いところを目指すの!」
 そう言って三人で手を合わせる。うん、いつまでも下を向いていてもしょうがない。これからまた、前を見据えて進んでいこう、改めてそう、思った。
「あ、でも、確かに律子さんってちょっと、地味すぎると思うな。そうだ! 美希がコーディネートしてあげる!」
「え? い、いいわよ別に……」
 せっかくいい感じで盛り上がったと言うのに、唐突に何を言い出すのだろう。
「遠慮しないの! ほら、律子さん!」
「あ! ちょ、ちょっと美希、手、引っ張らないで!」
「あんまり時間かけるなよー」
 のんびりしたプロデューサーの声が、美希の後押しをする。というか止めなさいって!
「はいなのー」
「ちょ、ちょっと!」


「いっちょ上がり、なの!」
 更衣室に引っ張り込まれてされたこと……眼鏡を取られて、三つ編みをほどかれて、シャツとスカートを剥がれて、そして美希が着ていた服を一式着せられた……ということなんだけど……
「うーん……」
「どう? プロデューサーさん」
「……美希による律子のコスプレと、律子による美希のコスプレ、だな……」
 そうつぶやいたプロデューサーの表情は見えないけど、口調からは少なくとも好印象を受けているようには思えない。
「あふぅ。やっぱり思いつきでやってみても駄目か。今度、一緒に服とか買いに行くの」
「ちょっと、勘弁してよ……」
「いいじゃないか、たまには二人で買い物でもしてきたら」
 無責任に笑うプロデューサーの笑顔が、少し、癪に障る。
 でも……
「そう、ね。次のオフあたり、行ってみようかしら」
「ほんと? やったぁ! 約束だよ、律子さん!」
 私たちは、コンビなんだから。


うーん……当初考えていた話とは少しぶれたなぁ。霧島です。
律っちゃんの抱えているコンプレックスの方をもっとクローズアップしたかったのに、なんか「律美希のちょっといい話」っぽくなってしまった……
「っぽく」というところがまた泣けるねっ!(ぉ
まぁ、推敲無しの一発書きということで、これはこれで小奇麗にまとまってるんじゃ……ないですかね?
ラストシーン、「美希による律子のコスプレと、律子による美希のコスプレ」のイラストを募集中です(笑)
まぁ、冗談ですが。


以下、へびあし的戯れ言
律っちゃんのどこが好きか。
そりゃ全部好きなんですが、中でも「私なんかがアイドルを……」っていうコンプレックスを抱えつつもアイドルとしてやっていく、その姿がかなり好きなのかな、と思う今日この頃。
この話を含めてすでに3回くらいこのコンプレックスを題材にした話を書いてるんで、いい加減食傷気味という方もあるいはいらっしゃるかもしれませんが、それくらい自分の中で扱いやすい、気になるテーマだということでしょう、多分。

で。

今回は美希との確執(しかも地味に一方通行)を描いたわけですが。

まぁ、この律っちゃん……いや、やめとこ。
何を言おうとしたかは、適当に察してみてください。
はぁ……。
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【2008/01/29 13:35】 | SS(もどき含む) | トラックバック(0) | コメント(4)
<<そんな貴方がいるから、僕は書いていける | ホーム | 実は、昨日誕生日でしてね>>

コメント

SSに美希が出てる!
つーことでかぶりついて読ませていただきました。
面白かったんですが美希の一人称は文字だと「ミキ」なので気をつけましょう(爆)
美希のセリフで「美希」表記だと一瞬誰が喋ってるかわかりずらかったりします。

あと美希による律子のコスプレと律子による美希のコスプレの挿絵は誰が描くんですか!(ぉ
【2008/01/29 20:31】 URL | ベルイマン #zDsxevDU[ 編集]
当代随一の美希スキーであるところのベルイマンPに気に入ってもらえてほっとしています(笑)

しまった!! そこは痛恨のミスっ!!<美希の一人称
まだまだ、詰めが甘いですね。反省反省……。
今後、美希が出てくるSSを書く時には気をつけますー。
紙媒体のやつでやっちまわなくてよかった……

>挿絵
そりゃ、ここを読んでくれてる絵師さんのうちの誰かが……
例えばベルイマンPとか。(ぉ
【2008/01/31 09:54】 URL | 霧島 #V.dLrimI[ 編集]
初めまして(´・ω・)っ
律っちゃん巡りリンクの旅の末にここまでたどり着いたTaq-Minと申します。
うちのHPから霧島工房様にリンク貼らせて頂いたので、手みやげに挿絵を持ってご挨拶に参りました。
うちのHPの2/7付の日記にあるんで、宜しかったら持っていって下さい。
自分はまだまだこの業界(?)では新米の律っちゃんスキーなのですが、このSSがめっさ気に入ってしまいました。いいですよねー、美希×律子。
それでは、(´・ω・)ノシ
【2008/02/07 00:21】 URL | Taq #-[ 編集]
Taqさま江
わはーー! はははははははは初めまして!
このような辺境の地へようこそいらっしゃいました!
気に入っていただけたようでなによりです!
しかも、挿絵まで描いていただいて……
本当にありがとうございます!

こちらからもリンクをぺたんさせていただきましたので、よろしければちょくちょく遊びにきてください~♪
【2008/02/07 17:56】 URL | 霧島 #V.dLrimI[ 編集]

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管理人:霧島義隆

霧島義隆

元765プロ所属、今は律子と一緒に独立してとあるデレマス事務所「律子ぺろぺろの会」代表。気付いたら個人でもS3、事務所もs3。他、アケマス・アイマス2・アイモバ・ミリマスでもアイドルマスターの称号を取ったので自称5冠。ただしミリマスは引退済み。
なんちゃってSS書き。色々こじらせてめんどくさいと言われがち。

口癖は #律子ぺろぺろ
危ないので石は投げないでください。

個人ID:57798220
事務所ID:6698

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