この辺のお話の続きと思いねぇ。
「ねぇねぇ。やっぱミキ的にはコンタクトがいいって思うんだけどなぁ」
「そうは言うけどね。今まで活動してきたイメージってのもあるし、簡単に変えるわけにもいかないわよ」
色々と律子さんに似合いそうなフレームを探してみたけど、やっぱりミキ的にはなかなかしっくり来るものが見つからない。眼鏡を外した横顔を見ていると、絶対眼鏡がない方がいいと思うんだけど。
「これなんかどうかな?」
そういって律子さんが選んでいるのは、何の変哲もない、黒ぶちのセルフレーム。まったく、変わり映えがしない。
「ぶー。律子さん、本気で選んでる? それ、今かけてるのとぜんっぜん変わんないよ?」
「うーん。そもそも私としては、無理にイメージを変える必要を感じてないんだけど……」
「えー? でもでも、律子さんだって変わりたいって思ってるんでしょ?」
「え? えっと……まぁ、その、多少は。あ、でも、やっぱりアイドルなんだから、勝手にイメージを変えるわけにもいかないじゃない?」
もう、どうしてそんなに真面目かなぁ。いつもいつも仕事仕事だと息も詰まっちゃわないのかな? 律子さんはもうちょっと、肩の力を抜くべきだと思ってるんだけど。
「だったら、せめて私生活だけでもイメージチェンジ、ねっ!」
「じゃ、じゃあ、プライベートは、まぁ、ちょっと……」
渋々といった感じで、それでもやっと、律子さんがうなずいてくれた。
「よーし、決定! じゃあさっそく、コンタクトにしてみよーっ!」
「それは却下」
「ぶー」
でも、ま、いいか。まずは眼鏡から、律子さんの改造大作戦、いってみよー!
*
「……やっぱり、あんまり変わらないね……」
「そう? 私としては結構イメージが変わったと思うんだけど」
ああでもないこうでもないと一時間くらい二人で言って、結局律子さんが選んだのはフレームのないタイプの眼鏡。確かに、ちょっと雰囲気が軽くなったような気はするけど、結局のところ眼鏡があることには変わらないから、あんまり大きくイメージが変わったようには見えない。うーん、ちょっと消化不良な感じ。
でも、律子さんはなんだか満足げだし、よかった……のかな?
「うーん。じゃあ、次は服だね」
「え? まだやるの?」
「何言ってるの? こんなの序の口だよ。それに、結局眼鏡かけたままなんだし、こうなったら服で思いっきり、イメチェンしないと」
気のせいかな? 律子さんの腰が引けてるように見えるのは。
「あー……えっと、その前にご飯食べない?」
「ミキ、まだそんなにお腹空いてないよ。それより早く行こ?」
「えっと……はい」
眼鏡の仇は服で取らないと。なんだろう、普段自分の服を選ぶ時よりもどきどきしてる。うーん、ちょっと癖になっちゃうかも。





