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霧島工房 アイマス同人界の隅っこで蠢くピコ手改めフェム手サークル
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律子オンリー、3年ぶりの単独開催!

彼女のキモチ、私のキモチ

一応、こちらのお話(2.1.4.)の続きです。



(……って、逃げ出してどうするのよ……)
 仕事があるから事務所に来たわけで、こんなくだらない理由で仕事に穴をあけるなんてこと、できるはずもない。とりあえずトイレに駆け込んではみたものの、いつまでもここにこもっている訳にはいかないこともわかっている。
『律子さーん! どこに行ったのー? 出てきてほしいのー』
(ふぅ……そろそろ出て行くか……)
 美希が私のことを探している声が聞こえてくる。これ以上ここに立てこもっていると、どんどん騒動が大きくなっていくような気も、しなくはない。意を決してドアを開ける。
「美希ー、ここよ、ここ」
「あーっ! こんなところにいたの! どうして逃げるのっ?」
 腰に手を当てて、少し頬を膨らせてそう口にする美希を見ていると、ああ、美希もまだ中学生なんだなぁ、なんてことを少し思う。
「ごめんごめん、ちょっと予想外の展開だったからつい、ね」
 真あたりならこういうシチュエーションにも慣れているかも知れないけど、初めてチョコレートを差し出されて平静でいられるほど、私はバレンタインというものに慣れていない。だからといって、逃げ出すというのもそれはそれで我ながらどうだろう? という気もしなくはない。
「ぅー。律子さん、ミキのこと、嫌いなの?」
「いや、そういうことじゃなくって、ね。ほら、バレンタインって本来男の人にチョコを贈る日でしょ? 自分が贈られる立場になるなんてこと、想像もしてなかったからね」
 トイレの前で立ち話をしていてもしょうがない。美希と並んで事務室へと歩き出す。
「うーん。ミキ的には、バレンタインは大切な人に、気持ちを伝える日だと思ってるんだけどな」
「まぁ、そういう面もあるとは思うけど」
 なんだか、真の気持ちが少し理解できる気がする。それと同時に、私にとっての「バレンタイン」についても思い出す。
「だから、ミキはミキにとって大切な人に、その気持ちを伝えるためにチョコレートを用意したの」
 大切な人に、気持ちを……うん、そう、そういうこと。自分にとって大切な人に、ありがとうの気持ちを。それだけ、それだけのはず。
「おう、お帰り、二人とも」
「ただいまなの。と、いうわけで。律子さん、ミキの気持ち、受け取ってほしいの」
 事務室に戻るなり、プロデューサーの声に形だけ反応して改めて美希が私に「気持ち」を差し出してくる。
「うん、ありがとう。これからもよろしくね、美希」
「はいなの! ミキの方こそ、よろしくお願いするの!」
「うんうん。仲良きことは美しきことかな、だな」
 どこかで聞いたような科白が後ろから聞こえてくる。でも、申し訳ないけどちょっと、いやかなり、迫力というか、そういうものが足りない、かな。
「あふぅ。プロデューサー、それ、社長さんの真似?」
「全っ然、似てませんよ?」
「あ、そう」
 二人からそう言われて、プロデューサーが目に見えてがっかりしたような表情を浮かべる。こういうところは、本当に自分より年上? なんて、思ってしまうこともあったり。
「もう。くだらないこと言ってないで仕事……の前に、これ」
 できるだけさりげなく、さりげなく……と思って私が差し出した包みを、何故かプロデューサーがぽかんと見つめている。ぅー、人がせっかく意を決して出したのに、そこで止まられると困ってしまうんだけど……。
「律子さん、これって、チョコレート、だよね?」
 まるでプロデューサーの気持ちを代弁するかのように、美希がそう不思議そうに尋ねてくる。
「ほら、義理よ、義理。一応、いつもお世話になっているわけだし、こういうことは形っていうか、そういうなんていうかな、付き合い? 大事な世界じゃないですか。それだけですよ、それだけ」
「え? ああ、ありがとう」
 そこでやっと、プロデューサーが手を伸ばして包みを受け取って……って、美希!?
「これ、もしかして手作り?」
「ち、違う違う、買ってきたやつに決まって……って、勝手に開けないで!」
 必死に取り返そうとする私を器用によけて、美希が包装を解いていく。ああ、どうしてこんなことに……
「あー。やっぱり手作りー。こんな箱のメーカーなんてないよ」
「いいから返しなさいっ! って。もう……」
 結局、悪戦苦闘しながらラッピングした成果空しく、中身の箱剥き出しの状態でようやく取りかえして、改めてプロデューサーに渡す。
「ちょうどうちの実家で、バレンタイン用のチョコレートを仕入れすぎちゃったらしくて余って困ってたから。だから、ちょっと作ってみただけです、それだけですからね」
「え? あ、ああ、ありがとう。えっと、食べていいかな?」
「ど、どうぞ? そのためのチョコですから」
 うー。なんで私、こんなことしてるんだろう……自分でも何が起こってるのか、段々わからなくなってきた。
「いーなー。律子さんの手作りチョコー」
「もう。私のチョコレートなんか……」
「うん、美味しいよ。ありがとう」
「い、いえ。あ、それはきっと、元の材料がよかったからですよ、うん」
 プロデューサーも、そんな無防備に笑ったりしないで欲しい。なんだか、こう、ちょっと変な気持ちになってくる……。
「あー。なんだか律子さんとそこの人、いいふいんきなのー。ミキ的にはちょっとジェラシー感じちゃうなー」
「なっ! み、美希、何を……」
「律子さん、顔が真っ赤なの。そこの人、律子さんを取らないでほしいな」
 そう指摘されて、初めて自分の頭に血が上っていることに気付いた。いや、そもそもいつの間に私は美希の所有物に?
「いや、取るってそんな」
「だから、どうしてこうなるのよーーーっ!」


安西先生、俺も律っちゃんからチョコレートが欲しいです……、とプロデューサは言った(挨拶)、霧島です。
元ネタは「流れよわが涙、と警官は言った」です。

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)
(1989/02)
友枝 康子、フィリップ・K・ディック 他

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F.K.ディックはいいですねー。
「電気羊」は名作だと思います。

はいはい。そんなことはどうでもよろしい。

つーわけで、今更のように先日のバレンタインSSの続きです。

俺(霧島)だって律っちゃんからチョコレート欲しいよ!

つか、バレンタインくらい律っちゃんとPをいちゃいちゃさせたいやないっすか!
でも、なんか美希律熱が盛り上がってしまったから、ついついバレンタインというチャンスを逃してしまってるわけですよ!
そんなの寂しいよ!

こら美希! 俺の嫁を取るなっ!

「あふぅ。そこの人、もしかしてへんたいさん?」
「誰が誰の嫁ですって? プロデューサー」

……すいません。少し落ち着きます。

なんてんすかね、こういう多少無茶な設定(Pと美希が律っちゃんを取り合う)話っていうのもあっていいんですよね? ね??
元々、実際の世界観を崩す話ってあまり書かないタイプなんで、どの程度のことまで許容されるのか、正直よくわからないんですよ。
いや、二時創なんだから好き勝手やりゃいいっちゃいいんでしょうが、まぁ、それはそれ、これはこれ?
ともあれ、今後も美希とPの二人で思う存分律っちゃんを取り合ってください。
でも律子は俺のよ(ry

閑話休題。

はい、前回のお話で軽く匂わせていたんですが、律っちゃんはちゃんとPへのチョコを用意してあったんですよ。
でも、どたばたがあって結局渡せずじまい、と。
このまま、誰も指摘がなかったらスルーするつもりだったんですが、Taqさんが気付いてくださったので無事続きが日の目を見ることとなりました(笑)
よかったね、律っちゃん、プロデューサー。
そして美希乙(ぉ
つか、その辺の裏設定(?)に気付いた方って、実際他にもいらっしゃったんですかね?
あからさまにわかるように書くのもつまらないし、さりとて誰にも気付かれてないならそれはそれで問題がある、というところもありまして。
その辺のさじ加減っていうか、そんな感じのものはなかなか難しいなぁと思う今日この頃、であります。

さてと。
そろそろ次は、デート本編書かないとなぁ。

つかその前にイベント用原稿やらないと……(焦燥感
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【2008/02/19 15:20】 | SS(もどき含む) | トラックバック(0) | コメント(2)
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コメント

うわぉ。気付いて良かった(´・ω・)っ
さりげにプロデューサーが「そこの人」に降格してるんですがw
さて、これからは律っちゃんをめぐるプロデューサーと美希のめくるめく三角関係に期待しても良いんですか?
美希はかなりストレートアプローチ。ぼやぼやしてると速攻既成事実作られちゃうから気をつけるんだプロデューサー!

律「‥‥あの、私の気持ちは?」
【2008/02/19 20:19】 URL | Taq #foLeBItc[ 編集]
Taqさま江
ここから先は、いよいよPと美希が律っちゃんをめぐって大バトルを繰り広げる! かもしれません(笑)
今後の展開として、律っちゃんとPのけこーん式会場に美希美希が乱入してきて律っちゃんを奪い去る、とか。(ぉ

美希から見たPランクは変幻自在です(爆)

P「律子は黙ってろ」
美希「律子さんは黙ってて欲しいの!」
律「……どーしてこんなことに……」

荒波に翻弄される我らが律っちゃんの明日は、どっちだ!?(ぉ
【2008/02/21 10:30】 URL | 霧島 #V.dLrimI[ 編集]

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管理人:霧島義隆

霧島義隆

元765プロ所属、今は律子と一緒に独立してとあるデレマス事務所「律子ぺろぺろの会」代表。気付いたら個人でもS3、事務所もs3。他、アケマス・アイマス2・アイモバ・ミリマスでもアイドルマスターの称号を取ったので自称5冠。ただしミリマスは引退済み。
なんちゃってSS書き。色々こじらせてめんどくさいと言われがち。

口癖は #律子ぺろぺろ
危ないので石は投げないでください。

個人ID:57798220
事務所ID:6698

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